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円周シールド
「円周シールド」とは、主に地下の一次トンネルを掘進し、その外周を覆工するために使用される工法のひとつです。円周シールドは、通常、矩形の切羽断面形状を有し、トンネルの外周を掘進しながら、円周シールドテール内においてコの字形の円周セグメントを組み立てて覆工を行います。以下に円周シールドについてかなり詳しく説明します。
●円周シールドの基本概念
・用途: 円周シールドは、特に都市部や繁華街などでの地下工事において、地下トンネルやパイプを掘進しつつ同時に覆工するために使用されます。
・構造: 円周シールドは大きな掘進機械で、その前方には矩形の切羽断面形状を有する掘進頭があり、後部には円周シールドテールがあります。
●掘進過程
・地中掘進: 円周シールドは地下に潜り込んで一次トンネルを掘進します。この際、切羽断面形状を利用して地中の土砂を切り開き、同時に掘進面を支える働きをします。
・同時覆工: 掘進頭の周囲にはセグメントと呼ばれるコの字形のコンクリート製の覆工材が配置されており、掘進機械が進むにつれてセグメントを組み立てながらトンネルを覆工します。
●掘進頭の機能
・切削機能: 掘進頭は地中の土砂を切り開くための切削機能を有しています。これにより掘進面を確保しながら前進します。
・支保機能: 掘進頭は同時に地中の安定を確保するための支保機能も備えています。これにより掘進による地盤の沈下や崩落を防ぎます。
●円周シールドテールとセグメントの役割
・円周シールドテール: 掘進機械の後方にあたる円周シールドテールは、掘進頭によって切り開かれた地中に安定性を持たせるための補助的な構造です。同時にセグメントを受け入れる役割も果たします。
・セグメント: コンクリート製のセグメントは、円周シールドが進むにつれてひとつずつ組み立てられ、地中に残る空間を覆工します。セグメントは通常、コの字形状をしており、組み合わせることで円周を形成します。
●セグメントの製造と特徴
・製造プロセス: セグメントは事前に工場で製造され、円周シールドの進行に合わせてトンネル内で組み立てられます。これにより工期の短縮と品質の確保が図られます。
・強度と耐久性: セグメントは通常、高強度のコンクリートで作られ、地下環境における耐久性を確保しています。
●利点と応用範囲
・迅速な覆工: 同時覆工が可能なため、従来の手法よりも迅速に地下構造物を完成させることができます。
・地下空間の最大利用: 地上が制約された都市部での利用が特に有効で、地下駐車場や地下鉄トンネルなどに応用されます。
●課題と調整策
・地質条件の影響: 地質条件によっては掘進が難しい場合があります。そのため、現地の地質調査とそれに基づく工法の調整が求められます。
・環境への影響: 地下掘進作業が地上に与える影響や振動など、環境への配慮が必要です。
円周シールドは特に都市部の繁忙なエリアや制約のある地下空間での利用が期待され、技術の進歩と適応によって、より効率的かつ環境にやさしい地下工事が実現されつつあります。